イラストの制作依頼で知っておきたい「権利」「利用範囲」について

イラストの制作依頼で知っておきたい「権利」「利用範囲」について

公開日

2025年07月22日

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こんにちは!IRIAM運営チームです。

今回のIRIAMふんわりジャーナルでは、IRIAMでの活動に欠かせないイラストの制作を依頼する際の「権利」や「利用範囲」についてお伝えしていきます✍️

ライバーさんにとって一枚の大事な姿であるイラストは、そこから用途が広がり、

例えば、新衣装やミニキャラとしての姿が生まれたり、それらを別のイラストレーターさんにお願いすることがあるかもしれません。

さらに、イラストを使って、デジタルグッズやリアルグッズを作ることもあるかと思います。

このように活動の幅が広がっていくのは喜ばしいことですが、イラストレーターさんとの間で「権利」や「利用範囲」についてしっかりすり合わせておかないとさまざまなリスクもあります

あなたらしさを存分に表現したキャラでより長く楽しく活動していくために、権利周りの基本的なポイントを見ていきましょう💡

イラスト制作を依頼する際の大事なポイント

  1. まずはイラスト利用の方針(活動スタイル)を考えましょう
  2. 権利関係や利用範囲についてすり合わせて、契約の形に残しましょう
  3. 取り決めをちゃんとしない場合のリスクを理解しておきましょう
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事務所に所属しているライバーさんの場合

イラストの権利を事務所が持っている場合もあるので、どのような契約になっているか事務所の方に確認してみると良いかもしれません。

※この記事では、詳細な説明を省略している部分があります。著作権に関してより詳しく知りたい方は文化庁の著作権テキスト等を参考にしていただくとより理解が深まるかもしれません。

⒈ まずはイラスト利用の方針(活動スタイル)を考えましょう

イラストレーターさんにイラストを描いてもらう場合、今後どのように利用していきたいかのビジョンを持ってやりとりすることがとても大事です。

例えば、下記のようなことを考えておくと良いかもしれません。

  • IRIAMだけで活動するのか、他の媒体での活動にもイラストを使いたいか?
  • そのイラストをデジタルグッズやリアルグッズに使いたいか?
  • 別のイラストレーターさんにも同じキャラの立ち絵などを依頼していきたいか?
  • 今後もっと幅広い用途に使いたくなる可能性があるか?
  • 自身とキャラとの関係、自身とイラストレーターさんとの関係は今後どうしていきたいか?

最後の項目はちょっと抽象的かもしれません。

例えば、「ちょっとお試しでこのキャラになってみて、今後変わっていくのもあり」か、「自分のアイデンティティとして、長く使い続けたい」か。

「さまざまなイラストレーターさんに依頼し、必要に応じてやりとりをしたい」か、「一人のイラストレーターさんと深い関係を築き、ずっと依頼しつづけたい」か。

あなたの活動方針としてはどうでしょうか?

⒉ 権利関係や利用範囲についてすり合わせて、契約の形に残しましょう

ご自身の活動ビジョンを踏まえ、イラストレーターさんとの間でどのような権利関係や利用範囲であればお互いに納得して取引ができるのか、しっかりとコミュニケーションを取りましょう

合意した内容は契約書などの形で残しておくことが、将来のトラブルを防ぐことにつながります

A. ごく限られた用途でイラストを使うなら…

「グッズだけに使い、配信など他では使わない」など明確にイラストの用途が最初から限られている場合は、希望する利用方法をイラストレーターさんに伝えて了承を得ることがまずは大事です。

また、IRIAMで活動することは商用利用にあたりますので、商用での利用が問題ないかどうかも確認を忘れないようにしましょう。

B. 幅広い用途で、イラストを自由に使いたいなら…

配信で使う立ち絵などは、サムネイルやヘッダーにしたり、別衣装やミニキャラを制作したりとさまざまな用途に派生することが多いので、自由に活動を楽しむために「著作権譲渡」や「著作者人格権不行使」についてイラストレーターさんとすり合わせると良いかもしれません。

著作権とは? 著作者の財産的な利益を守る権利で、他人に譲渡することができます。

  • 著作権の譲渡を受けるメリットは? 契約内容にもよりますが、例えば以下のようなことがイラストレーターさんの許諾なしに行えるようになる可能性があります。(譲渡を受ける場合、追加費用が発生する場合があります。)
    • 配信での使用
    • サムネイル用にトリミングや文字入れなどの加工
    • グッズ制作への利用
    • 同じキャラクターの新しい衣装のイラストを、別のイラストレーターさんに依頼する
  • 元のイラストにアレンジを加えたりする権利(翻案権:著作権法第27条)や、アレンジして作られた二次的著作物を利用する権利(著作権法第28条)についても譲渡を受けるかを検討するとよいかもしれません。 (この2つの権利は他とは別に明確に譲渡の合意をする必要があるとされています。)

著作者人格権(同一性保持権)不行使とは?

著作者人格権(同一性保持権などが含まれます)とは、著作者(イラストレーターさん)の人格的・精神的な利益を守る権利で、他人に譲渡することができません。

  • 不行使の合意をするメリットは? 契約で合意した範囲において、イラストレーターさんに都度確認することなくイラストの改変などが行えるようになります。著作権の譲渡とあわせてこちらも合意することで、イラスト利用方法の自由度が高まります。

C. 著作権を譲渡してもらわずに、さまざまな用途に使いたいなら…

著作権の譲渡や著作者人格権の不行使の合意をしない場合、費用を抑えてイラスト制作を依頼できる可能性があります。

しかし、その分イラストの「利用許諾」の範囲を具体的かつ明確に決めておく必要があります。

  • どのような用途で利用するのか (例:IRIAMでの配信のみ、SNSアイコンとしてのみ、イラスト販売も可)
  • どこまでの改変を許可するのか (例:トリミングは可、色変更は不可)
  • リスナーさんに対して、ファンアートの制作などはどこまでの範囲で許可してよいのか

これらを契約書などに詳細に記載し、双方で合意しましょう。契約書に記載されていない用途や改変については、原則としてその都度、著作権者であるイラストレーターさんの許可を得る必要があります。

また、IRIAMで活動することは商用利用にあたりますので、商用での利用が問題ないかどうかも確認を忘れないようにしましょう。

⒊ 取り決めをちゃんとしない場合のリスクを理解しておきましょう

著作権の帰属や利用許諾範囲について明確な合意がないままイラストを使用してしまうと、以下のようなトラブルに発展する可能性があります。

  • イラスト利用の差止請求を受ける
  • 損害賠償の請求を受ける
  • 信頼関係が損なわれ、今後の取引が難しくなる
  • IRIAMの会員規約の違反となり、配信アカウントの利用に悪影響が出る
    • IRIAMの会員規約では、第三者の著作権を侵害するイラストの利用を禁止しています。許諾の範囲を超えて、又は許諾を得ずに利用しているイラストもこれらに含まれます。

さいごに

IRIAMでの配信活動を楽しく続けていくためには、ライバーさんとイラストレーターさんの良好な関係が不可欠です。

「これくらい大丈夫だろう」と安易に判断せず、ささいなことでもしっかりとコミュニケーションを取り、双方の意思を丁寧に確認しましょう

そして、契約自体は口頭でも成立するものですが、契約書などの形で合意した内容を残しておくことが、将来のトラブルを防ぐことにつながります

※免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的助言を行うものではありません。記載内容の正確性・最新性・完全性については保証いたしかねます。本記事の内容に基づいて発生した、いかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。個別の契約やトラブル等については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。

それでは、次の記事でまたお会いしましょう!

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